空き家が火災になる前に

ご両親が老人保健施設や介護施設に入所して戻らない家やお亡くなりになられて管理が行き届かない空き家は年々増加の一途を辿っています。この他にバブル期に建てた別荘では、占有者が自己破産したことにより管財人が転売しようにも引き受ける人がいない物件などは、日本国内では本当に多いのです。

空き家は管理を考えていますか?

当然土地と建物がありますので資産と考えますが、空き屋は収益を生みません。誰かに貸したり、誰かに売らない限りはお金を生むものではありません。当たり前のことですが、相続人の方が将来的に土地の値段が上がってから考えよう!とか、リタイヤ後に対の住処として利用しようと考えている方もいると思います。でも、空家は管理しないととんでもないしっぺ返しがあります。

空き家の雑草から出火が怖い

雑草の生える家

空き家の雑草は管理しないと一気に生えてきます。雑草は定期的に刈り取りするか、それが出来ないのであれば薬剤で枯らしてしまわなければなりません。注意点として、薬剤は毒性がありますのでペット等を遊ばせたりは出来ない庭となりますので、将来的にお住まいにをお考えの空き家については土を入れ替えなければなりません。

しかし、管理の行き届かない空き家の雑草は秋口には枯草となり、タバコの不始末や放火犯の格好の餌食となる恐れがありますので、空家の植栽をそのままにするのは危険極まりないと言えます。

空き家に忍び込むドロボウも厄介

泥棒

空き家を狙うドロボウこれも厄介です!人気が無く、草木が野放図に生えている廃墟であってもドロボウは忍び寄ります。基本的に人がいませんので、空き家ドロボウは家の中を一気に荒らしていきます。基本的に空き家に高価な物を置いておいたりはしないと思いますが、ドロボウが平気で闊歩する町内なんて治安の悪化の始まりと言えます。一度空き家にドロボウが入ったことにより近隣住民からの白い目は避けられません。

空き家の室内は管理しないとボロボロ

カビの生えた廃墟

ちょっとこれは厳しいです。しかし、依然これに似た廃墟の中に入った時には吐き気を催しました。締め切ったままの空き家の中は、湿気がこもりカビの発生がハンパじゃありませんでした。お風呂場の中なんて真っ黒いカビが生えていてハウスクリーニング業者でさえ断られた家もありました。

空き家の管理が行き届かないと湿気により電化製品や給湯器も全く使い物にならなくなります。いくら固定資産税が安くなるからと言って何もしないとこんな状態になります。そして、臭気が漂うレベルになると近隣住民からのクレームもハンパじゃありませんのでご注意願います。

空き家の治安悪化と近隣トラブル

放火犯

空き家は管理が行き届かないと、あそこの家って誰の持ち物なの?あの家お化けが出るみたいだよ!!この間なんか薄暗く電気が点灯していたような・・・というように風評被害のような噂話も聞こえてくる空き家があります。周辺住民が一番気にしているのは、管理されていない空き家が治安を乱すからです。

ドロボウや不審者・浮浪者は長らく住んでいない空き家を見つけると住処にして、その周辺を転々と悪さをするという事例もあります。住処にすると1週間もしないうちに中は荒れ放題の状態となり、中で寝たばこなどをされては2次災害・3次災害の危険も懸念されます。

危険 景観破壊

最後にまとめますと管理の行き届かない空き家というのは、凶器にも成り得ます!枯草・ゴミ・紙ごみなどの燃えやすいものに付け火をされたり、侵入者による無秩序な放火により、空き家だけの問題ではなく近隣住民の不安を煽ってしまいます。まして、火災になったとしたら・・・近隣まで燃えてしまったら取り返しのつかないことになることは目に見えています。

空き家の放置は絶対にしないで欲しいと願っております。自分だけでなく近隣の健全な人たちの生活基盤や命までも奪ってしまう火災は避けたいものです。

 

 

空き家バンクとその背景

空き家バンクって何ですか?

空き家の有効活用が囁かれている中で、地方自治体は空き家バンクを立ち上げている。地方にある空家を有効活用して子育て世帯の応援や人口減少の過疎化となっている地域の活性化も担っている。自治体によっては、借主や貸主に対して補助金制度もあり、空家の情報提供をホームページ上でも行っている。

通常建物の取引きというと家主が不動産屋さんにお願いして「誰か借りてくれる人はいないだろうか」「この方が借りたいと言っているので仲介してお貸ししますよ」と取引されている。しかし、突然の親族の死亡により信頼出来る不動産屋さんを知らない。過疎地域の住宅でどこも引き受けてくれない。仲介手数料を払う経済力が無いという問題が生じている。土地を持っているだけでも固定資産税を毎年国に納めなくてはなりませんので、土地や建物は有効活用しないと資産ではなく負債となってしまうという現実があります。

空き家バンクは、空家を登録することにより情報提供してくれる場所という認識で宜しいです。これは、民業圧迫ではないだろうか?という声も聞こえてきますが、少子高齢化による人口減少に歯止めが掛けられない昨今では国益にも生じている程の日本全体の問題です。

総務省統計では、平成25年の全住宅の空き家率は、13.5%と10件に1件以上が空き家となっています。平成元年が9.4%ですので、この25年間で、4%もの伸び率となっています。

空き家のグラフ

空き家が増え続ける訳 人口減少

これは、皆様もご承知のとおり日本の人口減少です。平成25年の統計では、男性は10年連続・女性は8年連続の自然減少で、65歳以上の人口の割合は26%となり、75歳以上については12.5%と8人に1人が75歳以上の高齢化となっています。

高齢者の受け入れ先として、老人保健施設等の介護施設は増加していますが、普通に生活する為に住宅が必要でなくなった人が増えることにより過剰供給となっているのが現実なのです。

空き家が増え続ける訳 過剰ストック

住宅ストック数

総務省資料によると、居住者のいない住宅は853万戸と人口減少と共に年々増加しています。賃貸用や別荘、そして資産価値のある売却用を差し引いても長期不在・取り壊し予定の住宅は318万戸と40%近くの住宅が余っている。土地も余っているという状況です。利便性を求め都心部への人口集中もその原因の一つですが、仕事が無ければ暮らしは成り立ちませんので、取り壊しすることが土地の有効活用となるのか?リノベーションして1世帯あたりの持家を増やすことが国民の豊かさを充足していくのか?考え方は様々ですが、個人の財産ですから勝手に決められないというジレンマも国にはあるのだと思います。

空き家バンクのメリット

空き家バンクは地方自治体が窓口になっているので、売り家も借家も自治体のホームページに登録者は閲覧出来るので、不動産屋さんのような売り込みやメリットの表記はありせんし、営業マンからの売り込みも無いので冷静に物件検索出来ます。市町村においては、直接交渉出来る物件もありますので、仲介手数料不要や安価に物件が手に入るというメリットはあります。また、自治体においては引っ越しの費用や補修費等の助成金制度もありますので、入居に際しての金銭的メリットもあります。

空き家バンクのデメリット

空き家バンクのデメリットは、不動産屋さんが管理を拒否してしまうような物件もあります。というのも所有者が相場を決めているという素人丸出しの物件もあります。仲介手数料はありませんが、相場よりも高い家賃やリノベーションを拒む物件もありますので注意が必要です。自治体が仲介しない案件は個人同士の取引きとなるのでトラブルに発展するケースもありますので、不動産として取得する場合は専門家に依頼するのが間違いがありません。

他にも移住にはそれ相応の調査が必要です。また、少しづつ調査した内容を掲載していきます。

空家が危険な理由

空き家の廃墟

 空家は、総務省統計局の平成25年のデータによると総戸数6,063万戸に対して、820万戸となり、空家率は、13.5%と過去最高となった。皆様もご承知のとおり核家族化や少子高齢化に伴い必要の無くなった住宅がそのまま放置されているケースが多いことが原因です。

 空家放置の理由

 母親が介護施設に入所した!

 生前贈与を知らない!

 更地にすると固定資産税が高くなる!

 等々個人によって様々な理由・・・土地と建物は個人の資産ということで個人の判断に委ねられている側面があります。でも、国も地方自治体もこの右肩上がりに増加している「空き家」対策を興じていなければならない社会問題となっております。

 空き家は、放置しておくとかなり傷みます。換気をせずに1年も経過した家は湿気で充満し、カビやダニが繁殖し異様な臭気を充満させ、家の中の至る所に綻びが発生します。そして、将来住もうか?という考えで残していたとしても、シロアリや小動物の巣窟となり、住める状態にまでリノベーションすることに躊躇する人も出てきているのが実態です。

 空き家の出火が怖い!

火災の炎

 空き家の放火が心配!

 空き家の火災が怖い理由として、総務省消防庁の資料によると、出火原因別にみた火災発生状況では、たばこの不始末で4,048件で全体11.8%・放火は、3,437件で全体の10%・放火の疑いが3,053件で全体の8.9%・たき火が、3,040件で全体の8.9%となっております。

 将来住もうか?なんて悠長に考えて、資産である空き家を放置していても、実際はデメリットしかありません。管理としては、1ヶ月に1度は窓を開けて換気したり、庭の草木を管理したりしないと、人の気配の無い家は、ホームレスの巣窟になったり、泥棒が家中を荒らしてしまったり、地方の土地が広い空き家では、不法投棄の温床となっている空き家も珍しくはありません。

 空き家が資産から負債に代わる瞬間!

 長男Aさんの地方に暮らす母親は老人保健施設に入所していて、実家は空き家状態になっていました。Aさんは都心のマンションで家族と共に暮らしているのですが、3年後の定年を機に地方へ戻ることを決めていました。母親は足が不自由で老人保健施設から出所してくることは無い状態なので、家の管理は月に一度、長男Aさんの奥さんが、母親の見舞いと共に都心から出てくる際に、家の換気や掃除を賄っていました。

 母親は、長男が定年後に帰ってくるという理由から実家を生前贈与していました。長男も都心よりは幼少期から住み慣れた田舎暮らしは、近隣住民の付き合いも母親と亡くなった父親が長年お付き合いのある方が多いので、もし引っ越してきても近所付き合いの好で歓迎してくれることも手伝って楽しみにしていました。

 長男は出社して間もなく、奥さんから何度となく着信が入っていたことに気づきました。電話を掛けてみると衝撃の事実が待ち受けていたのです。「田舎の実家が燃えた」直ちに実家へ新幹線を乗って実家の状況を確認しに向かいました。しかし、その惨劇は想像を絶するものとなっていました。

 実家だけが燃えたというのなら、まだ耐えられたのですが、近隣の4件もの住宅を巻き込む大火災が沈火した光景は、犯罪者になったような気持ちになりました。あれだけ近隣の方も私が帰ってくることを楽しみにしていた方の家が燃えてしまったことに対する罪悪感と焦燥感は人生で経験をしたことが無いものでした。

 これから大変な事になると覚悟を決めるまでそう時間は経過しませんでした。しかし、近隣の方への損害賠償責任は、火事で焼けた自分の実家以上に大きく都心のマンションや自身が3年後に受け取る予定の退職金を充てたとしても賄いきれる損害金ではありませんでした。

 空き家の実家の出火原因は、「放火の疑い」でした。消防署の話では、奥さんが来月にはゴミだししようと玄関脇に置いていダンボール箱への付け火が原因ではないかということでした。無人の実家とはいえ、近隣住民の方とも古い付き合いの中で起きた惨劇は、資産から負債に変わった瞬間でした。